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竹粉で育てるお米「広島(庄原)」へ
2018年01月27日
広島県庄原市の生産者グループやJAを訪問しました。庄原市は中国山地のふもとに位置し、古くから米づくりで栄えた場所です。
「里山の夢 あきさかり」は里山を荒らす竹を肥料として再利用し、循環型農業で栽培したお米で、地域の生産者が行政・JA・農業指導員・広島大学などと連携し、何年も試行錯誤を重ね実現しました。
圃場へ
広島市から車で1時間半で到着。早くから基盤整備が進み、大型トラクターが活躍できる広大な田んぼです。1枚あたりが30a
堆肥センター(竹粉肥料)発酵熱に驚き!
外は、雪が降ってとても寒いのですが、たい肥を持ち上げてもらったら、水蒸気が昇り発酵熱を感じました。
里山の整備で伐採した竹を粉末状にし牛堆肥と混合し発酵させたもの。そもそも竹は、土着菌の宝庫であり、天然の抗菌力や薬効を備えた、土づくりには欠かせない植物だそうです。発酵熱はなんと70℃前後に達するそうで、この熱により微生物が活性化し、土壌が整うとのこと。
竹粉肥料に、広島名産の「牡蠣殻」を砕いたものも混ぜて田んぼに散布します。牡蠣は海水の浄化に貢献していることは知られていますが、この肥料は、山の恵み(竹)と海の恵み(牡蠣)を田畑に還す、大きな役割を担っています。
里山の整備 + 発酵熱の利用 +竹堆肥で美味しいお米、野菜に
現在、全国の里山は、過疎化・高齢化・手入れ不足による荒廃が進んでいますが、農家にとってもメリットがあれば、竹の伐採が進み、里山の保全に繋げることができます。竹粉肥料によって、日本の農業が変わる可能性を感じました。
竹を伐採は、1日、10人で25mプールの面積くらい。竹パウダーと中熟牛糞堆肥と混合し、約1週間で70℃前後になり、切り返し(中に空気を送る)5回程度行い、3か月で完熟たい肥に仕上げている。ほとんど土のにおいでした。
カントリーエレベーター
ちゅんちゅん ぐろい?(わらぐろ)
稲藁の中に残ったお米はスズメ用に
比婆山(ひばやま)
庄原市にある比婆山は、古事記において「神避りし伊邪那美神は、出雲国と伯伎国との堺、比婆の山に葬りき」と記されるように、イザナミノミコトが埋葬されたという神話の地。また、広島県庄原市・島根県奥出雲町にまたがる国定公園には、樹齢1000年以上の老杉や100haに及ぶブナ純林があり、国の天然記念物に指定、信仰の山として大切に受け継がれています。