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新プロジェクトと生育確認「佐賀へ」
2012年08月28日
佐賀空港着陸前、上空から見る限り、熊本から佐賀は緑一面(出穂期)の田園風景です。
穂が出ているのは、6月に田植えした、夢しずく、ヒノヒカリ、さがびよりともち米。
スーパーなどで早場米が出回ると、九州全体が収穫を終えていると勘違いされてしまいますが、通常期は9月下旬から10月中旬くらいが収穫となります。
早場米(佐賀): 4月上旬田植え お盆前刈取り
8月28日は、台風15号が九州を通り過ぎた後も吹き返しの影響で1日雨模様でした。
試験圃場 ( 佐賀県農業試験センター)
「ごはんの新しい食べ方」を提案できるよう、佐賀県と一緒に研究開発してます!
いろんな種類のイネが栽培
一般的な品種(うるち米)の他にも、酒米、モチ、陸稲、昔かしの品種(旭)なども栽培されてました。
※日本型イネ(ジャポニカ種=短粒種)
写真中央の丈の長いイネはジャワニカ種です。イネとは思わないですよね。
※ジャワニカ種(中粒種)。長粒種と短粒種の中間的な特性で、インドネシアの島々で栽培
このほかにも、インド型のインディカ種(長粒種)もありました。
※インド・ベトナム・タイ・中国南部・北アメリカ・南アメリカなど
日本のイネは遺伝子組み換えをしていないので、交配、育成、選抜といった地道な作業を繰り返した上、新しい品種が誕生します。
共同乾燥施設(上場コシヒカリ)
収穫後、生産者はモミの状態でこの施設に持ち込み、ここで乾燥、籾摺り、異物除去などの工程を経て良質な玄米に仕上げます。
収穫後のお米をそれぞれ個人で乾燥、調整までしているところが多いですが、生産者の高齢化が進んでいることや、お米の味や品質のバラつき、時間、機械などの設備にコストがかかり、米価、消費が低迷している中、合理的とは言えません。
今後、高品質でおいしいお米を作っていくには、お米の生産工程を分割し専門化することが重要ではないかと考えます。
そうすれば、生産に関連する機械に集中投資でき、栽培に専念することでより安全で、日本らしい、環境にも配慮した稲作ができるようになると思います。
【区分荷受・貯蔵】
品質・食味に関係なく同じタンクに入ってしまうと懸念があると思いますが、すごいところでは、品種、栽培方法はもちろん、食味・品質を4分類以上で区分されているところもあります。
玄米低温倉庫
このように共同乾燥施設(ライスセンター)で調整されたお米は玄米の状態で低温保管されます。
カントリーエレベーターの場合は、モミのまま大きなタンクに入れ、春ごろまで保存し、出荷前に籾摺り、選別をして玄米に仕上げます。
ツバメ、白鷺を発見(さがびより圃場)
【ツバメ】
「ツバメが低く飛ぶと雨が降る」と言われますが、これは湿度が高くなるとツバメのエサである虫の羽が濡れて高く飛べなくなり、それをエサとするツバメも低空で飛ぶことからきているそうです。
穀物を食べている害虫を主食としているため、益鳥として農村部を中心に大切に扱われてきました。
【白鷺】
最近、田んぼでよく見かけるようになりました。(ラジコンヘリによる防除が減ったため?)
水田や川、湖沼、干潟などで、ドジョウやフナなどの魚、カエル、ザリガニ、昆虫などを中心に食べます。
※白鷺は、ダイサギ、チュウサギ、コサギの3種類。まとめてシラサギと呼ばれています。
近年、除草剤、殺菌、殺虫剤などの農薬が飛躍的に改良されてますが、農薬を大量に使用すれば、食品の安全はもとより、多くの生き物を減少させ、自然の生態環境を脅かす危険性もあります。
最近、日本全国の産地では、環境保全型農業に取り組みつつあります。
「さがびより」生育状況
普及センターの方から生育状況を説明してもらいました。
草丈は、長梅雨の影響でわずかに短いですが、その後の天候の回復もあり、例年並みに推移していました。
これから葉の色が徐々にさめていきます。
手間ひまかけ、除草もされ、とてもきれい な田んぼでした。
雑草が多いとイネとの間で養分の奪い合いをし、生育を抑制してしまいます。
【水田の主な雑草】
タイヌビエ、コナギ、ミズガヤツリ、オモダカ、クログワイ、ホタルイ、ウリカワ
出穂期
これから受粉し、実になっていきます。10月上旬から中旬にかけて刈取の予定です。
唐津城(東唐津駅より)
唐津城は、豊臣秀吉の家臣、寺沢志摩守広高によって慶長7年(1602)から7年の歳月を費やして築城。
東西に伸びる松原が両翼を広げた鶴のように見えることから、別名「舞鶴城」と呼ばれています。
※唐津城の後ろの煙突は、九州電力火力発電所
唐津湾 佐賀から福岡空港へ( 筑肥線車窓)
強風の影響で列車に遅れ、運休がでていましたが、予定通り、福岡空港に到着できました。
一体となる仕組み(連携)
この地域では、生産者・JA・普及センター・農試センター・行政などが連携されています。
以前は、日本のどこでもこのような連携がとれていましたが、食糧管理法(1972-1995)、食糧法(1995-2004)、改正食糧法食糧管理法(2004~)の流れで流通は自由化され、少なくなってしまいました。
今後このような取り組みをされているところを探し、また、新しく取り組もうとしている産地があれば応援してまります!