産地情報

「日・韓・中」稲作技術国際会議(韓国)2日目

2006年07月15日

今日は、笩橋(ボルギョ)で田んぼの生き物調査をしてから午後から順天大学で「環境保全型稲作国際会議」に行ってきます。

韓国の田んぼ

ほとんど日本と変わらない風景ですが、日本より少し田植えが遅く、まだ20~30cm.位でした。
台風の影響で稲が倒れてしまったところもあるそうです。

田んぼにどれくらいのイトミミズ・ユスリカがいるか調査開始

「有機栽培」と「慣行栽培」を比較調査の結果
・有機栽培 :イトミミズなどの生物を数えるのに一苦労でした。
・慣行栽培 :ほとんど生物がいませんでした。 ※詳しい数字は後ほど記載します。
こんなにも違いがはっきりするとは思いませんでした。

「姜大寅」さんから有機栽培について説明

有機栽培の田んぼは、稲のコントラストがはっきりしていて、茎が太いのが特徴。

生き物調査したメンバー(日本・韓国)

生産者・流通・研究者・行政・環境保護団体など

順天大学にバスで移動

会議の「垂れ幕」が用意され、会議の大きさを実感!

ドロがついた格好から着替えて出席。

開会式

来賓では、全羅南道副知事・順天市長が出席。メディアも数社(KBS・MBCなど)

基調講演

・日本 有機稲作の技術情報
・中国 有機水田とラムサール条約
※北京大学の教授が突然こられなくなり日本が代役
・韓国 有機稲作の政策的支援とその課題

日本の稲作技術は、韓国からも中国からも優れていると評価を受けたが、韓国政府の有機稲作(新環境稲作)の取組みは日本も見習い、遅れを取り戻さなくてはならない事を実感。

日本・韓国・中国の意見交換

【韓国】

Hyeon Yeong-suさんからは、合鴨農法からタニシ・米ぬか農法に切り替えている。
(合鴨では窒素の過多、周りの田んぼに汚染の影響も考えられるので)
▲問題点
米ぬか農法をしたいが、どうしても人件費を抑えることができない。(高年齢化も要因)

【中国】

農業技術普及所 所長の金吉洙(kim kil-su)さんから驚くべき発言。
中国では鳥がいなくなった。北京市内でカラスも。今では子どもが鳥という概念すらもなくなりかけている。
中国は広いから一部の地域だけなのかとその場では思っていましたが、翌日昼食で焼肉を食べているとき、キムさんに伺ったところほとんどの地域で鳥がいなくなってしまったのは間違いないそうです。
▲問題点
利益構造・有機資材の高騰・水の汚染

【日本】

民間稲作研究所 稲葉先生が韓国・中国からの質問に答える。

Q:米ぬかをどれだけ入れば、良い土壌ができるのか。配分方法?
A:どれだけ入れるのが問題ではなく、今田んぼにどれくらいの生物がいるのかで判断しなければならない。(田んぼによって土壌が違うので)
生物の多様性を活かした農法が一番良い!

晩餐会の会場

とてもすばらしい「おもてなし」をしてもらいました。

明日は、分科会の報告と会議宣言文の発表。これからホテルの近くを散策してきます。