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「生き物認証システム(仮称)」の意見交換会(大崎市)
2017年03月29日
宮城県大崎市で、「生き物認証システム(仮称)」について、生物学者など専門家との意見交換会をしました。各産地のお米を販売する立場として、また消費者の声を届ける役目として参加しています。
「生き物認証システム(仮称)」とは、生き物を軸として農産物の安全性を計る新発想の認証システムで、従来型の「農薬・化学肥料5割減」、「有機栽培」などとは異なる評価方法です。
有機栽培(無農薬・無化学肥料)の田んぼでも、”生き物がいない”場合もあります。
例えば、化学肥料を使わなくても、生の肥料を過剰に投入してしまうと、田んぼの生き物が死んでしまいます。
無農薬、無化学肥料で安全かもしれませんが、お米の味の低下や独特な匂いが出ることもあります。
もちろん、生き物を育みながら有機栽培を実施している田んぼは、お米の本来の香りや味も美味しいですし、多くの生き物が育まれています。
生物文化多様性評価 意見交換
水田に生息する生きものの種類や数によって田んぼの豊かさを3~5段階評価し、その田んぼで実ったお米には認証マークを表示、購入代金の一部が寄付される仕組みなど、消費者参加型で、生き物を育む田んぼを応援できるシステムを検討中です。
この仕組みが全国で統一され、そのシールを商品に貼って、購入の時の参考になってもらえればと思っております。将来は、他の農産物にも応用ができるようになれればと思っております。
加護坊山
蕪栗沼周辺の田んぼ(ラムサール条約登録地)
今回訪れた宮城県大崎市は、東端にラムサール条約に登録された湿地「蕪栗沼・周辺水田」を有し、人と生き物が共生する農業の鍵となる「ふゆみずたんぼ」で持続可能な地域づくりを推進、また田んぼの生物多様性のすばらしさを子供たちへ伝えるための学習や田んぼのいきもの調査など、長年に渡って数々の取り組みを行っています。
2017年3月14日には、「『大崎耕土』の巧みな水管理による水田農業システム」が、世界農業遺産に新規申請、併せて「日本農業遺産」に国内で初めて認定されました。
蕪栗沼
宮城県では、「伊豆沼・内沼」、「蕪栗沼・周辺水田」、「化女沼」がラムサール条約湿地に登録され、20Km圏内に3つの条約湿地が誕生しています。
中でも、大崎市の「蕪栗沼・周辺水田」は世界の登録湿地名で唯一「水田」と表記され、世界的にも注目される地域となっています。
こうした「人と自然が共生するお米づくり」で実った安心・安全なお米を、新しい認証システムによって、日本国内の消費者はもちろん、海外の方々にも分かりやすく伝え、お米づくりを応援していただき、購入する際の動機につながればと思っています。