お米マイスターの日誌

植物による放射性物質の除染(提案)

2011年05月04日

2011年3月11日の東日本大地震災において、東京電力福島第1原子力発電所の事故で、作付制限、農地(グランド)の土壌入替など検討されていますが、今しなければならないことは、すべての植物の力をかり、放射線物質を植物に吸収させ、根こそぎ回収し、美しい郷土を取り戻ることです。

放射性物質の除去に終始するのではなく、回収した植物をエネルギーとして再利用し、持続可能な資源サイクルとして転換することです。
事故が収束された後も、そのサイクル(施設)を継続することで、農村部の高齢者にとっては、除草剤に頼らない防除、バイオガス、火力発電の燃料になる新たな取組みが生まれます。

日本が誇る「豊かな自然」、「高い技術力」、「余すところなく使い切る精神」で、日本のから世界に発信できる資源サイクルとなりえます。
風力、太陽光、地熱だけでない自然エネルギーの転換を目指す取組みとして、お米マイスターもこの提案の実現のため協力してまいります。

この考えは、NPO法人民間稲作研究所が提案され、「放射能汚染対策と地域農業の再建に関する提案」から抜粋しました。具体的な方法は下記をご参照ください。

防除対策を第一に

5000ベクレル/kg(4/7時点)を超える地域はイネづくりを中止し、それ以外の地域でも収穫時期に再検査をする前提で作付を許可する方向で検討されています。しかしイネづくりの中止というだけでは、放射能汚染を解消し地域農業を再建する方向性は見えてきません。

除染能力の高い作物を積極的に植える

  1. 放射能汚染が認められるすべての地域で、除染のために、ヒマワリ・菜種・大豆などの作物や、セシウム、ストロンチウムの吸収能力の高い雑草を栽培する。
  2. 栽培した作物は食用にはしない(規制)
  3. 茎葉を含め、すべて回収する
  4. セシウム回収作物として東京電力が茎葉を含めて全量を買い取り、火力発電所の燃料やバイオエネルギーの原料として活用

収穫後、基準を超えたものは茎葉とともに放射能物質を飛散しないフィルターを装置した火力発電所で焼却し発電燃料として活用するか又はバイオエネルギー(エタノール発酵・メタン発酵)として活用することを考えるべき。

セシウム回収経費として東京電力が買い取ることとすれば、長期間に及ぶ損害賠償交渉の結論を待たずに農家の生活が支えられることになります。

植物による除染効果がどの程度になるか、問題点は何かなど専門家を中心に解明し、長期的な見通しを確定して安定した政策を立案すべきです。

回収作業の周知

火力発電所などで焼却する場合

【イネ】
茎葉を裁断せずにコンバインで刈り取る。乾燥させたワラを梱包し、火力発電所に運搬。

【ヒマワリ】
根ごと引き抜き、立てかけて感想。乾燥した茎葉は火力発電所に運搬。花は摘み取って回収し、搾油所に運搬する。

【菜種】
汎用コンバインで刈り取り、茎葉は集草機・梱包機で梱包し、火力発電所に運搬。子実は搾油所にて搾油する。

【アカザ・シロザ】
畜産農家に依頼し、刈り払い機で茎葉を刈り取り、乾燥、梱包して火力発電所に運搬。

バイオ燃料に使用する場合(湿田や雨の多い地域)

【イネ】
コンバインに茎葉回収ネットを装着し、裁断した茎葉を回収。バイオエタノールを発生施設またはメタン発酵施設に運搬。

【ヒマワリ・菜種】
チョッパーと回収ネットを装着した汎用コンバインを使用し、子実は搾油所へ販売。茎葉はバイオエタノール発生施設またはメタン発酵施設に運搬。

収穫機の開発と、搾油所、発酵処理施設・火力発電所の整備と運営

【収穫機】
脱着の簡単な回収ネットの開発

【搾油所】
圧搾型の搾油所を各自治体に1か所設置、搾油した油の放射線量を測定し、基準を超えるものは、放射能回収フィルターの装着したディーゼルエンジンの燃料として栽培農家の配布。

【発酵処理施設】
各自治体にメタンまたはエタノール発酵処理施設を1か所設置し、バイオ燃料として活用する。消化液は蒸留などの方法で水分を除き、アンモニアを回収した後、ケーキ状にして減量。灰溶融施設でスラグ化し、福島県原発内の最終処分場に回収する。
メタンガスの液化充てん技術を開発し、利用範囲を拡大。(北海道・栃木県内で稼働中のものがある)

火力発電所の活用と個規模火力発電所の設置

【既存の火力発電所の整備】
福島、茨城、新潟にある火力発電所にセシウム、ストロンチウムなどの核種が捕縛できるフィルターを装着し、汚染された農作物や雑草を火力発電所の燃料で使用できるよう整備する。

【既存のゴミ焼却場の整備】
発電機、溶融炉を備えた込み焼却場における集塵フィルター性能を点検し、放射性物質を排出しない整備であれば、刈り払った地域の汚染植物を焼却し、発電に活用。

【小規模火力発電所の建設】
間伐材、下草、草地、法面(のりめん)、果樹園、畦畔(けいはん)などなどの、すべての植物を刈り払い、発電燃料として活用するために、セシウム、ストロンチウムが捕縛できるフィルターを装着した燃焼炉と小型火力発電機を整備する。

このて何はまだまだ不十分な側面が多いかもしれませんが、優れた環境技術を持つ日本だからできる取組みです。
放射性物質で汚染された地域を浄化し、原発から自然エネルギーへの転換を目指す取組みとして評価して頂き、実現のために行動して頂ける事を切望致します。(2011/4/18 NPO法人民間稲作研究所)