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暑さに強いお米(高温耐性米)
2010年10月20日
出穂(しゅっすい)・登熟する8月を中心に全国的に異常な高温が続き、過去113年間で最も暑い夏(6月~8月)となり、9月に入っても猛暑記録が各地で更新されるなど、猛暑は終わりを見せないまま収穫に入りました。
その影響で高温障害(特に真っ白なお米)による品質低下が懸念され、例年に比べて等級比率の低下となってしまいました。
しかし、モミから玄米にする時や玄米で選別されているお米や、精米の段階で選別、ふるいをかけているお米は、味にはそれほど影響はありませんが、ぬか、ふるい落ち、選別されるお米が多くなります。(歩留まり低下)等級が下がると、価格も下がってしまい、農家にとっては大変な年です。
そんな中、注目されるお米もあります!
高温耐性品種と呼ばれ、近年の温暖化に備え暑さに強くて、おいしいお米を九州で10数年前から開発をし、この猛暑で本領発揮と注目しています。
さがびより:(佐賀 佐賀農試研センター 育成 平成20年)
高温耐性米。ツヤがあり、粒が大きく、もっちりとした食感で、甘み、香りも良く、時間がたってもおいしい。
気象が変動する中で米づくりに励み、笑顔で晴れやかな収穫の日を迎えるように命名※21年産から銘柄に設定。
にこまる:(長崎 九州沖縄農試研センター 育成平成17年)
高温耐性米。粘り、柔らかさ、食味ともにヒノヒカリ、コシヒカリと同等。高温登熟条件でも品質が低下しにくく、玄米外観品質は良好。
おいしくて笑顔がこぼれる品種、粒張りの良さを表わし命名。※21年産から山口、高知、栃木県も銘柄に設定される
元気つくし:(福岡 福岡農総試 育成 平成21年)
高温耐性米・粒がしっかりし、ツヤと粘りがある。ヒノヒカリより食味は優れ、おにぎりにしても美味しい。高温条件を人工的に再現できる施設を用いて開発。
暑さに強く元気に育つ、今の時代に元気を与える美味しいお米の気持ちを込めて命名※21年産から銘柄設定
くまさんの力:(熊本 熊本農研センター 育成 平成20年)
体温耐性米。食味はヒノヒカリと同等で、高温登熟条件下で白未熟粒の発生はヒノヒカリより大幅に少ない。
てんたかく:(富山 富山農総技センター 育成 平成14年) 【参考】
高温耐性品種。食味は、ハナエチゼンより優れ、ひとめぼれ並みで、白くて光沢があり、適度な粘りと柔らかさがある。気象変動に強く、登熟期の高温でも白粒発生がしにくい。
農水省の高温障害対策レポート 【コメ高温障害の発生原因】
▽出穂後20日間の平均気温が26~27度以上
▽日最高気温の20日間平均が31~32度以上
▽日最低気温(夜温)の20日間平均が23~24度以上になると
白未熟粒等が多発しやすいことや、特に高夜温の影響が大きいことがわかっています。
また、登熟初~中期の高温は乳白・心白粒に、登熟後期の高温は背白・基白粒の発生につながると考えられているほか、出穂後期の高温・フェーン現象だけでなく、出穂初~中期の気温が高いほど胴割粒の発生が多いという相関も明らかになっています。