お米の疑問

「米ぬか」パワー 栄養がたっぷり!

2013年08月03日

「米ぬか」って何?

米ぬかは、玄米を白米に精米する過程で生まれる皮と胚芽の部分です。

精米前の玄米に対する米ぬかの割合は、重量にするとわずか10%にすぎません。しかし、この中に全体の約75%にも相当する豊富なミネラル分が含まれています。

ぬか床(糠)

「米ぬか」には栄養がたっぷり!

米ぬかにはビタミンB群やビタミンE、カルシウム、たんぱく質、鉄、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています。

◆ビタミンB1で疲れ知らず

摂取したごはんなどの糖質は、酵素の働きで分解され、エネルギーに変わります。ビタミンB1はこの酵素が働くときに必要な補酵素で、糖質の代謝に不可欠です。

ビタミンB1が不足すると、糖質をエネルギーに変えることができず、乳酸などの疲労物質がたまり、疲れやすくなります。糖質の摂取が多い日本人には、不足しやすい栄養素なので、意識的にとることをおすすめします。

◆ビタミンEで若さを保つ

ビタミンEは過酸化脂質の生成を抑えて酸化を防ぎ、老化やがんなどの予防に働くと考えられています。また、動脈硬化は血液中のLDL(いわゆる悪玉)コレステロールの酸化で促進されますが、ビタミンEはこれも抑えます。さらに、女性ホルモンのバランスを調節し、更年期障害、月経痛などの症状を改善する働きもあると言われています。

◆食物繊維で便秘解消

食物繊維は消化吸収されにくく、そのままの形で大腸に進み、腸壁を刺激してぜん動運動を活発化させてくれます。さらに、水分を保持して便を柔らかくし、スムーズな排便を助ける働きがあります。

これらの作用は、腸内環境を改善して便秘や腸の病気予防に役立ちます。また、コレステロールの吸収も防げ、体内に排出しやすくするので、糖尿病や脂質異常症の予防・改善に役立ちます。

◆ぬか漬けの歴史と栄養

ぬか漬けの雁史は古く、江戸時代から行なわれていたと言われています。

米ぬかは微生物にとってきわめて豊富な栄養素を含むので、ぬか床にいる乳酸菌などの微生物がぬかのたんぱく質や糖質を分解して、うま味や香りの成分を作り出し、それらが野菜に浸透しておいしい漬け物になるのです。また、もともとぬかに豊富なビタミンB1などの成分も野菜に浸透するなど、栄養面でもメリットがあります。

「四季の食だより」より抜粋