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産地情報

「さがびより」佐賀県白石・唐津へ

2025年04月09日

今回の訪問では、佐賀県南西部に位置する白石(しろいし)地区を訪れました。

白石町は、有明海に面し、干拓事業によって誕生した広大な白石平野を有する、農業が非常に盛んな地域です。特に、米や玉ねぎの生産で知られており、佐賀県内で出荷される玉ねぎのうち、実に62%が白石町産とされています。

九州佐賀国際空港 上空からの景色

空路で佐賀に向かう際、機内の窓からは、有明海に沿って広がる見事な田園風景を見ることができました。(今は大豆の生産をしているところです。)

干拓地らしい真っすぐに区画された水田が広がり、「これぞ農業県・佐賀」と思わせる圧巻の景色です。

六角・須古カントリーエレベーター(JAさが 白石地区)

事前には、「有明海に近い、開けた平地にあるのだろう」と思い描いていたのですが、実際の施設は白石町内でもやや内陸に位置し、周囲が丘陵に囲まれた、静かで落ち着いた場所にありました。
飛行機の上空から見たイメージとは異なり、自然の包容力を感じさせる落ち着いた風景が印象的でした。

荷受け(張り込み口)

このカントリーエレベーターでは、米だけでなく麦も受け入れられる体制が整っており、大型の荷受け口が印象的です。
収穫期には、多くの生産者がこの施設に作物を持ち込み、共同で乾燥・調製・貯蔵する仕組みになっています。

DAG乾燥施設

【DAG乾燥米】 —作物にやさしい低温除湿乾燥—

こちらで採用されている DAG(Dry Air Generator)乾燥方式 は、火力を使わずに空気中の水分を除湿し、一定の湿度と温度を保った空気でじっくりと乾燥させる方法です。
一般的な熱風乾燥と異なり、加温による品質劣化を防ぎ、米本来の風味や食味を損なうことなく仕上げることができます。

風量や湿度はコンピューターで制御されており、仕上がりの安定性が高いのも大きな特長です。

低温貯蔵施設 —品質を守る、温度管理された貯蔵空間—

乾燥を終えたお米は、すぐに温度がしっかりと管理された低温貯蔵庫へと移され、品質を維持したまま出荷まで保管されます。
こうした徹底した品質管理体制こそが、佐賀のお米が高い評価を受け続ける理由のひとつといえるでしょう。

唐津市へ移動

白石町での視察を終えた後は、佐賀県北西部の唐津市へと移動し、JAからつと打ち合わせしてきました。
唐津は、私にとっても特別な思い入れのある土地の一つです。もう10数年以上、ほぼ毎年訪れており、産地の皆様とのご縁も長く続いています。

この地域から、「佐賀逢地の里さがびより(特別栽培米)」と「佐賀上場地区(棚田米)コシヒカリ」を取り扱っています。どちらも多くのお客様から高い評価をいただいています。今年は米不足の影響もあって、すでに完売となっている状況です。

毎年同じように見えても、稲の育ちや収穫のタイミングは天候や土の状態によって微妙に異なります。だからこそ、こうして現地を訪れ、産地の声を直接うかがい、田んぼを自分の目で見ることが、販売する立場として非常に大切だと感じています。