産地情報

有機栽培の生育確認(26年産)

2014年07月24日

有機栽培コシヒカリの生育具合を確認しに、栃木へ行ってきました。
ここでは生き物を育む農法に取り組んでいて、田んぼだけでなく、田んぼを取り巻く環境にも気を遣うことで、たくさんの生き物たちと一緒に稲が育っていきます。

健康な稲(開帳)

有機栽培生育調査26年産(栃木)4

通常よりも間隔を広げ、少ない本数の苗を植えます。ここの圃場では成苗 2本植えです。

また、間隔を広げることで健康で丈夫に育つため、茎ものびのびと扇に広がっているのが分かります。
一見、収量も減ってしまうかのように思えますが、上手に栽培できれば、慣行栽培と同じくらいの量がとれます。

有機栽培の除草とは…?

有機栽培生育調査26年産(栃木)3

有機栽培の場合は、除草剤を使うことができません。そのため、ここでは完全に取り除く「除草」ではなく「抑草」という方法をとっています。

田んぼをよく観察し、植物の生態をよく知っているからこそ、雑草が育ちにくい環境を作り出すことができます。
代掻きや育苗に通常よりも時間をかけるため、田植えするまでの手間と時間はかかりますが、通常のやり方に比べて雑草が生えにくいので、生えてきた雑草も手作業で取り除くことができます。

有機圃場(有機JAS認証)

有機栽培生育調査26年産(栃木)2

有機JAS規格に適合した生産が行われていることを登録認定機関が検査し、その結果、認定された事業者のみが有機JASマークを貼ることができます。

有機栽培は、多くの生き物を育む

有機栽培生育調査26年産(栃木)5

カエルを発見しました。ほかにも昆虫や魚などたくさんの生き物が生息しています。

ビオトープ

有機栽培生育調査26年産(栃木)8

草に隠れていてわかりにくいのですが、ビオトープです。
田んぼの水を抜いたとき、水生動物たちの行き場がなくなってしまうので排水口付近に作っておくと、生きものの避難場所になります。
田んぼに水を入れた時に、一度に生態系を復活させることができます。

ひまわり

有機栽培生育調査26年産(栃木)1

田んぼの横に、たくさんのひまわりが咲いていました。このひまわりに蜂が集まったり、ひまわりの種から搾油することもできます。

養蜂

有機栽培生育調査26年産(栃木)6

稲作に使用することもある「ネオニコチノイド系農薬(殺虫剤)」、蜜蜂に悪影響を及ぼす可能性があるとして、EUでは使用が制限されています。
日本でもこの問題に関心が高まっています。

有機栽培では、これらの農薬は一切使用しませんが、ミツバチを増やす取組みも挑戦されていました。

田んぼは、お米を作るだけではなく、たくさんの生き物を育んだり、地下水を作ったり、洪水を防いだり、空気を浄化してくれるなど、環境を守っています。

さらに、有機農業は手間ひまがかかりますが、上手に生産ができればコストを抑えることも可能です。

今後も、有機栽培を応援していきたいと思っております!